6/6🧭「皆さん、当たってますか? 外れてますか?――でも、そこが本題じゃないんです」

ハドソン・パートナーズ・米国株式市場

昨日からの続き・・・・・・アメリカ、日本、あるいはその他の国の金融・株式市場を真に見ようとするならば、そこには必然的に、その時々の経済状況や政策、グローバルな潮流に基づく“インプリケーション”(含意、示唆)が存在し、それに即した視点や視座が、おのずと定まってくるはずです。

ところが現実には、「何をどう語るか」において、まず書き手・語り手の意図や立場が前面に出てしまっている情報にしばしば出会います。そして私たちは、そうした“語り手主導”の構図に引き込まれる形で、思考を誘導されてしまうのです。

しかし、本来、そうあるべきではないと私は考えています。情報が語られる出発点にあるべきは、「送り手の都合」ではなく、「マーケットの論理」であるはずです。

つまり、市場が今、何を織り込み、どこに向かおうとしているのか。語りの起点は、そこに置かれるのが当たり前ではないかと考えています。——問いを立てる力とは、まさにこうした“構図の逆転”に気づく力でもあります。

 

本日は、

短い刺激よりも、長く使える視点を大切にしたい方へ。
この文章は、そんな方の思考の伴走者になれればと願っています。

「皆さん、当たってますか? 外れてますか?――でも、そこが本題じゃないんです」

投資の世界では、「当たった」「外れた」という結果ばかりが話題になりがちです。ですが、私たちが本当に注目しているのは、その先にある構造や行動、そして何より「どう向き合うか」という姿勢です。

 

リスクマネジメントの哲学と実践――「当たる/外れる」の呪縛を超えて(公式ホームページ「洞察・実践の広場」もご参照ください)

♦「あなたは“的中率”に振り回されていませんか?」

投資の世界では、「当たった」「外れた」といった予測の結果ばかりが注目されがちです。けれども、長くマーケットに携わってきた私たちは、その先にある“もっと大切なこと”を常に意識してきました。それが、リスクマネジメントです。

投資はギャンブルではありません。どれほど経験を積んだ投資家であっても、常に正確に未来を予測することは不可能です。だからこそ重要なのは、「当てること」そのものではなく、予測が外れたときにどう行動するか、どう耐え、どう立て直すかという冷静で戦略的な思考です。

♦「当たる/外れる」だけで判断していませんか?

「当たる」「外れる」といった判断軸は、シンプルでわかりやすいがゆえに、つい私たちはそれに頼りがちです。他人の予想に安心感を求める気持ちも、決して特別なことではありません。しかしその一方で、「誰かの意見に従っておけば間違いない」という考え方は、本来私たちが投資に求めている“主体的な判断力”を曇らせてしまうこともあります。

マーケットの世界では、常に変化と不確実性がつきまといます。だからこそ、「誰が正解か」ではなく、「どう準備し、どう対応するか」という視点に立ち戻ることが大切です。

♦真のリスクマネジメントとは

リスクとは、単なる価格の上下ではなく、将来が不確実であること自体と、どう向き合うかという問いです。真のリスクマネジメントとは、「不確実性を前提に戦略を立て、状況に応じて柔軟に対応する力」に他なりません。

一つの予測が当たったか外れたかに一喜一憂するのではなく、構造を見抜き、複数のシナリオを想定し、合理的な備えをしておくこと――それこそが、長期的にマーケットで生き残るための確かな道だと、私たちは考えています。

♦金融とは、本来「偶然に賭ける営み」ではありません。将来に向けて、限られた資源をどのように配分し、リスクをどのように認識・管理していくかという、極めて思考的かつ構造的な営みです。一時の変動や断片的な情報に振り回されることで、その本質を「運任せの世界」と誤認してしまうのであれば——それこそが、いま、立ち止まって見直すべき最も深い課題と言えるのではないでしょうか。

♦本来の金融リテラシー(お金や経済に関する正しい知識と判断力)とは、

「リスクとリターンの構造を理解し、自ら判断して行動する力」のことです。

 

そんな考えに共感してくださる皆さまへ

投資の本質を見つめ、冷静な判断と長期的な視点を大切にしたいと願う皆さまと、私たちはコンテンツを共有し、共に学び合っていきたいと考えています。ハドソン・パートナーズ・クラブは、そうした皆さまとともに歩むコミュニティです。ご関心をお持ちいただけたなら、ぜひ一度、私たちのコンテンツに触れてみてください。

 

 

さて、昨日のブログは、

6/5🧭米株式市場:「答え」を求める前に、「問い」を深めるという選択──ちょっとした違いが大きな違い

と題して、有料部分では、核心的な2つのシナリオに焦点を絞り、展開させていただきました。

 

https://www.outlier2023.club/%e3%83%8f%e3%83%89%e3%82%bd%e3%83%b3%e3%83%bb%e3%83%91%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%82%ba%e3%83%bb%e7%b1%b3%e5%9b%bd%e6%a0%aa%e5%bc%8f%e5%b8%82%e5%a0%b4/6-5%f0%9f%a7%ad%e7%b1%b3%e6%a0%aa%e5%bc%8f%e5%b8%82%e5%a0%b4%ef%bc%9a%e3%80%8c%e7%ad%94%e3%81%88%e3%80%8d%e3%82%92%e6%b1%82%e3%82%81%e3%82%8b%e5%89%8d%e3%81%ab%e3%80%81%e3%80%8c%e5%95%8f%e3%81%84/

 

5月21日投稿のブログでは、

5/21🧭今後3ヶ月の米国株式市場を左右する「2つの構造的要因」とは

と題し、有料部分で、2つの構造的要因についてご説明申し上げております。

 

https://www.outlier2023.club/%e3%83%8f%e3%83%89%e3%82%bd%e3%83%b3%e3%83%bb%e3%83%91%e3%83%bc%e3%83%88%e3%83%8a%e3%83%bc%e3%82%ba%e3%83%bb%e7%b1%b3%e5%9b%bd%e6%a0%aa%e5%bc%8f%e5%b8%82%e5%a0%b4/5-21%f0%9f%a7%ad%e4%bb%8a%e5%be%8c3%e3%83%b6%e6%9c%88%e3%81%ae%e7%b1%b3%e5%9b%bd%e6%a0%aa%e5%bc%8f%e5%b8%82%e5%a0%b4%e3%82%92%e5%b7%a6%e5%8f%b3%e3%81%99%e3%82%8b%e3%80%8c2%e3%81%a4%e3%81%ae%e6%a7%8b/

 

こちらの内容を踏まえた上で。

本日は、米国の政治家による、極めて目を引く発言に注目し、その意図や文脈、そしてアメリカ株式市場に直接影響を与えうる要素を掘り下げて考察します。どの発言を、どの背景で、何を手がかりに読み解くべきか――それを市場の視点でどう思考すべきかが、本質的に重要です。

株式市場や金融市場を少しでも理解するうえで、まさにこの視点の持ち方こそがリスクマネジメントと言えます。

プレミアム会員の皆さまへ

本日の目次項目および各ブレークダウンの中でも、最後に掲げております「アメリカ(米国)株式市場を見るということ」と題した項目に記した内容は、皆さまが世界のどこにいらしても、何に取り組んでおられても、まず本質として捉えるべき重要な視点であると考えております。

ぜひこの項目にご注目いただければ幸いです。

とりわけ本項目でお伝えしている通り、日々目にする報道やSNS上などで語られる言葉と、専門家や実務家のあいだで交わされる言葉とでは、言葉表現そのものであり、その背景にある前提や定義が根本的に異なることがあります。実際にどのような違いがあるか、本日は、その違いを表を用いてご説明申し上げております。

これは、情報そのものの正誤ではなく、「何をどのように見ているか」という視座の違いです。

本質をとらえるためには、まずその違いを知ること。そして、私たちが共有している分析の世界が、そうした一般的な情報空間とは異なる視点から構成されているという点にご注目いただければ幸いです。

ハドソン・パートナーズ・クラブ公式サイト「洞察・実践の広場」にも明示しておりますように、
私たちは金融商品取引法をはじめとする関連法令を厳格に順守し、断定的な表現や予測の的中・不的中を競うようなスタンスとは一線を画しています

「当たる・外れる」「誰が正しい・間違っている」といった短期的・表層的な視点ではなく、政策・金融市場・経済の構造的な本質に光を当て、変化の兆しや背景にある意図を深く読み解くことを重視しています。

そのうえで、市場を読み解くための“的確な視座”と“リスクマネジメントの視点”を、賢明な投資家の皆さまやビジネスリーダーの皆さまにご提供してまいります。

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