先週末のブログは、
「6/14🧭6月13日(金)のアメリカ(米国)株式市場を終えて:今、必要なこと」
と題してお送りさせていただきました。
先週すでに述べましたが、FOMCの今週も、ポイントはこのようなところからですね。
私たちは、公式サイトおよびstand.fm「ハドソンボイス」を通じて、世の喧騒や瞬間的な情報の波とは一定の距離を置き、静かに思考を深めたいと願う賢明な投資家の皆さまや、多様な分野の探究心あるビジネスパーソンの皆さまに向けて、真摯な発信を続けています。
そして、公式サイトを訪れてくださる皆さま、またstand.fmにて「ハドソンボイス」をフォローくださる皆さまへ、心より感謝申し上げます。
多くの情報が流れ去る現代において、あえてこの静かな二つの場に足を運んでくださることは、何よりの励みです。落ち着いた思索の場として、この場を選んでくださる皆さまとの対話を、これからも大切に育ててまいります。
公式サイトにも明記しております通り、私たちの発信はウォール・ストリート・スタンダードに基づき、単なる噂話や事実・情報の羅列に満足せず、実のある「アイデアの対話」が置ける方々、そして「ただ知りたい」という段階を超えて、洞察と実践を通じて成果へと昇華させようとされている皆さまに向けて、真摯に届けています。
昨日、スタエフ「ハドソンボイス・アウトライヤー編」にて《思考の土台》をテーマにしたシリーズ第1回・第2回をお届けいたしました。断片的な情報をなぞるのではなく、思考の構造そのものに立ち返る内容となっております。
今後も、月2回の「ハドソンボイス深層解析対談」と並行して、本シリーズも継続してまいります。
なお、「ハドソンボイス深層解析対談」は、ウォール街のパワーランチさながら、段違い、核(コア)違いの深さと鋭さを持つ、まさに洞察と実践の最前線。政治・政策・経済・金融・市場の本質に肉薄し、聞かずに済ませることはできない“知と洞察の絶品”として、自信を持ってお届けしています。
その深層解析対談と歩調を合わせるかたちで、本シリーズ(アウトライヤー編)では、思考の背景や土台に焦点を当て、静かな対話の中に、持続的な気づきと示唆を見出していただけるよう努めております。
私たちハドソンボイスは、本質を見極めようとする皆さまと共に、静かで豊かな対話の場を育ててまいります。表層的な情報では満たされない何かを感じておられる皆さまにこそ、お聴きいただければと願っております。
今回、アウトライヤー編・シリーズ第1回目の放送の中で↓
*書籍の引用を行っています→「ここで引用したのは、ナシーム・ニコラス・タレブの『ブラック・スワン』(ダイヤモンド社・ 望月衛訳)からの一節です」「一部、タレブ氏の書籍『反脆弱性』 からの引用を含みます」
《思考の土台》をテーマにしたシリーズ第1回の放送では・・・・・
🧭「なぜ人は、リスクを誤解するのか?」「リスク」と「不確実性」の違い
経済の話をするとき、あるいは株式市場を語るとき、「リスク」という言葉はよく出てきます。けれども、この言葉、意外と曖昧に使われていることが多いような気がします。
たとえば、「日本株にはリスクがある」と言うとき、それは「値下がりの可能性がある」という意味ですよね。でも、もともとの意味で言えば、リスクとは“確率が計算できるもの”です。
それに対して、「不確実性(uncertainty)」とは、確率がわからないものです。つまり、未来のある出来事について「どんな結果になるか予測できないし、確率もわからない」――これが不確実性。
人間は“過去の延長”でしか未来を考えられないのか?とよく思うことが私はあります。
金融市場では、よく「過去のデータから導き出したシナリオ」が使われます。リスク管理、ポートフォリオ戦略、VaR(バリュー・アット・リスク)などもそうですね。
でも、それって「過去が未来と似ている」という前提に立っています。
この前提が崩れたとき、どうなるか。――たとえば、2008年のリーマンショックや、2020年、新型コロナのパンデミック。「過去のどこにも前例がない」事態が起きると、自分含めて、人間の思考は停止する。「こんなこと、予測できなかった」とか、言いながら。
【哲学的視点】予測不能への態度について、引用です↓
ナシーム・ニコラス・タレブが『ブラック・スワン』で言ったことは、まさにそこにあります。
“我々は、予測不能なものを予測可能であるかのように扱っている”
“そして過去を見て、それらが予測可能だったと錯覚する”
つまり、人間は、「理由を後づけする動物」なんでしょうかね――。
後講釈、後解釈、後付けのストーリーてリング、よく見受けられます(笑)。
何かが起きたあとに、「ああ、あのとき○○があったから」と説明したくなる。これは安心したいという心理にも通じます。
でも、本当に重要なことほど、「起こる前」には語られていない。
これは金融の世界だけでなく、歴史全体がそうなのかもしれませんと自分は思ったりもします。
“リスク”との付き合い方を、問い直す必要があるなあ、とはよく思います。
だからこそ、思考のスタンスを変える必要がある――と思います。
リスクを“数値化”することは重要です。
けれども、それだけでは「ブラック・スワン」は防げない。
本当に大切なのは、「確率で説明できない世界」が存在するという前提を持って行動すること。つまり、「不確実性」に備える、という思考の持ち方です。
これは投資や市場の話にとどまりません。政治でも、政策でも、ビジネスでも、教育でも、はたまた、他のあらゆることに通じそうな問いでもあります。
最後に、あなたに問いをひとつ。
「あなたがいま当然と思っている前提は、未来でも本当に有効でしょうか?」
それをたまに疑ってみることが、不確実な時代を生きるヒントになるかもしれません。
🧭シリーズ第2回は、「ノイズ」と「シグナル」の見分け方についてお話させていただきました。
スタエフ、「ハドソンボイス」をご視聴いただけましたら。
今、思考の土台に立ち返ることも必要なのかもしれません。
さて、アメリカ(米国)株式市場・・・・・
一般的に語られる情報は情報なのでしょうが・・・・・
🧭この後、プレミアム会員様限定で、私とは異なる分野のプロフェッショナルの視点から分析をお届けします。今、それが必要だからです。多角的な視点から市場を捉えることで、新たな投資のヒントを見つけていただけると思います。ぜひご期待ください。
記事を読むにはログインが必要です。 ログインはこちら 新規会員登録はこちら