本日は政治・政策・経済・金融・マーケットの話題から一歩離れまして。
テーマは、
なぜ人は「みんなで同じ方向に間違う」のか?
どうなるこうなる、上がる下がる以前に、このことを、現実と乖離することなく実務感覚に基づいて正しく認識、理解しておくことは、とても重要なことだと考えています。
これを「知っているか・知らないか」で、結果は決定的に分かれます
ただの理論ではなく、金融市場が何度も何度も繰り返してきた“現実の力学”です。
そして――このメカニズムを“理解している状態”と“まったく知らない状態”の差は、ただの知識量の差ではありません。ある意味、生存戦略の差でもあります。
●市場で見える景色
●意思決定の質
●リスクに対する構え
●情報の扱い方
●何に耳を傾けるかの基準
これらすべてが、根本から変わります。
言い換えれば、知らないまま市場に向き合うことは、見えない落とし穴に向かってみんなで一緒に歩くようなものです。しかも、その落とし穴は “みんなが一斉に落ちていく構造” を持っている。
私たちハドソン・パートナーズ・クラブは、この構造を“表層ではなく、骨格として”理解しています。なぜなら――私たちは本当の現実の実務の現場で、このメカニズムが生む光景を何度も、そして痛いほど、目撃してきたからです。
ゆえに、元財務大臣政務官が第15回ハドソンボイス深層解析対談で指摘したとおり、「現実」こそがすべての出発点なのです。
そして、その「現実」を語る際に欠かせない視点があります。それが、“他者の不在”です。
他者の欠落――自己完結型物語の終着点
現実世界における成果とは、常に
●顧客
●同僚
●市場
●規制当局(金融は規制産業です)
●投資家
といった“他者”との相互作用の中で形づくられます。
しかし、表面的な議論や代替世界に閉じた語りは、本質的に「自己完結型の物語」で成立してしまいます。
その世界では、
●成果の不在
●責任の希薄化
●自己強化ループ
●高揚感への依存
といった現象が避けられません。
元財務大臣政務官、そしてこれまでにもJPモルガンのダイモンCEOが強調してきた、「現実社会で人に会うことの価値」とは、まさにこの“他者の視点”の回復でもあります。
私たちが最も慎重でありたいと考えるのは、現実や実務の肌感覚から大きく乖離し、正論のかたちをまといながらも実態を伴わない言説です。そうした言葉は、一見もっともらしく聞こえます。
しかし、その多くは判断を誤らせ、洞察の深度を浅くし、思考の構造そのものを損ないます。
教科書に書かれている“正解”、一般理論としての“正解”、そしてAIが瞬時に提示する“整った正解”。それらは、整っているがゆえに危ういことがあります。
どれだけ表面的に美しい言葉が並んでいても、現場の手触りと乖離した議論は、実務に携わる者の目には驚くほど簡単に透けて見えます。
そうした“形だけの正しさ”は、横並びの発想を生み、型にはめ、みんなを同じ方向へと押し出していきます。――まさに「みんなで間違う」――“集団的誤りが加速される力学” です。
政策・経済・金融・市場について立派そうなことを語る以前に、この「なぜ?」の根本構造を理解しているかどうかは、意思決定の質を決定づけるほど重要です。
本日ここで述べていることは、たとえ同じ言葉や同じ単語を使っていても、別世界にはまったく異なる意味として受け取られることを、私たちはよく知っています。そして正直に申し上げれば――そうした世界に届く必要はありません。
私たちが向き合いたいのは、現実と実務に根ざして思考し、謙虚に学び続け、本質を見極めようとする姿勢を共有する皆さまです。
こうした構造の話は、同じ視線で本質を探求しようとする皆さまにこそ深く届くものです。
そして同時に――元財務大臣政務官が政治家時代に何万件というご家庭を歩き、人々の暮らしの現実に触れてきた経験からも明らかなように、こうした構造の話が「自分には関係ない」「何を言っているのかピンとこない」と処理される世界が、むしろ社会のマジョリティであることも、私たちは痛いほど理解しています。
この私でさえ、かつて地方で講演などさせていただく際、現場での反応には正直戸惑うことがありました。
関係者の方々の中で、人によってはですが、これまで取り組んできたことや現状を説明すると、聞き慣れない横文字や専門用語の連続に戸惑われる様子が見受けられました。できる限り、簡潔にわかりやすく短く説明しても、どうしても横文字は出てきますので。
金融という抽象的な言葉ひとつで全体をくくろうとする傾向も顕著にあり、私もめんどくさくなって、最近は、そういう講演めいたことからは自然と足が遠のいてしまっています。地方はたいへん素晴らしい環境の場所も多いので、そういう話をしなくていい場所、しなくていい人達とだけ、最近はご一緒するようにしています。
だからこそ――この本質的な話が、届くべき皆さまにまっすぐ届くことを心から願っています。
今日は、アメリカでは Thanksgiving(感謝祭)。
先ほど、現実世界で、ニューヨークとも話したばかりです。
Happy Thanksgiving!
プレミアム会員の皆さま、どうぞこのあと、じっくりとその本質をご覧ください。
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